パレート図とは?定義、例、作り方 (2026)

パレート図とは、値の大きい順に並べ替えた棒グラフに、累積比率を表す折れ線グラフを第2軸として重ね合わせたものです。右側の軸の80%の目盛りから水平に線をたどり、折れ線と交わる点を見つけます。そこから左側にある棒に注目します。それらが、結果の大部分を引き起こしている少数の要因です。
これは、「どこから手をつけるべきか?」という1つの問いに答えるための標準的な方法です。この問いは、サポートの問い合わせキュー、欠陥ログ、未払いの請求書、経費明細などでよく発生します。
本ガイドでは、パレート図の定義、用途、仕組み、作成方法、そしてチームが陥りがちな誤読のポイントについて解説します。
パレート図とは?
正式には、この図は1つのグラフに2つの要素を組み合わせたものです。棒は各カテゴリの大きさを表し、折れ線はそれらの棒の累積合計が全体に占める割合を示します。
棒は必ず降順(大きい順)に並んでいなければなりません。そうでなければ、累積の折れ線は意味をなしません。最も影響の大きい要因が先頭に来ることで初めて、「これまでにどれだけの割合をカバーできたか」を読み取ることができます。
この名前は、「80対20の法則」としてよく知られるパレートの法則に由来しています。この図は、比率が正確に80/20であることを前提とするものではなく、実際の比率がどうなっているかを示すものです。
これこそが、多くの解説で見落とされがちな部分です。パレート図は法則を裏付けるためのものではなく、現状を測定するためのものです。
パレート図の用途
主な用途は、カテゴリのリストが長く、リソース(時間や労力)が限られている状況での優先順位付けです。
3つの具体例を挙げるとイメージしやすいでしょう。1つ目は「理由別のサポートチケット」で、一握りの問題が全体の問い合わせ件数の大半を占めるケース。2つ目はパレート図の発祥である「原因別の製造欠陥」。3つ目は「顧客別の未回収売掛金」で、少数の顧客が未払い残高の大部分を占めるケースです。
共通しているのは、カテゴリごとの大きさが不均等であり、割ける労力には限りがあるということです。もし各カテゴリの大きさがほぼ均等であれば、折れ線はほぼ直線になり、役立つ情報は得られません。
しかし、それも立派な発見です。平坦な曲線は、対処すべき「少数の主要因」が存在しないことを意味するため、アプローチの計画を変更する必要があります。
忘れられがちな2つ目の条件があります。それは、各カテゴリが独立していなければならないということです。原因が重複していると二重カウントが発生し、上位の棒が不当に大きく膨らんでしまいます。
また、単位の確認も重要です。「件数」によるランキングと「コスト」によるランキングでは答える問いが異なり、この2つの順序はしばしば一致しません。
パレート図の仕組み
並べ替えられた棒
各棒は1つのカテゴリを表し、件数、コスト、時間、金額など、重視する単位で測定されます。降順に並べ替えることこそが、この図の読みやすさを生み出しています。
もし「その他」というカテゴリがある場合は、その大きさに関わらず、必ず一番右端に配置してください。並びの途中に「その他」が入り込むと、折れ線の読み取りが難しくなります。
累積比率の折れ線
折れ線は、各棒において、その棒とそれより左側にあるすべての棒の合計値を全体合計で割った値をプロットします。そのため、最後の点は必ず100%になります。
累積比率は棒グラフとは異なるスケールのパーセンテージであるため、専用の軸(第2軸)が必要です。この第2軸があるからこそ、単に線を引いただけの棒グラフではなく、「複合グラフ」として機能するのです。
80%の目盛りの読み方
右側の軸の80%から水平に線をたどり、折れ線と交わるところで垂直に下に下ろします。その点より左側にあるすべてのカテゴリが、優先的に取り組むべき対象です。
ここで得られる答えが何であるかに注目してください。それはカテゴリの「割合」ではなく、具体的なカテゴリの「数」です。実用的な表現としては、「これら4つの原因が全体の80%を占めている」のようになります。
80%というラインは慣習的なものであり、統計的な意味を持つしきい値ではありません。チームによっては70%や90%を基準にすることもあり、明確な理由があればどちらも妥当です。
この図が教えてくれないのは、「それらの原因のうち、どれを実際に解決できるか」ということです。規模によるランキングと、解決の容易さ(実現可能性)によるランキングは、全く別の作業です。
Excelでの作成方法
Excelにはこのグラフが標準機能として備わっているため、自分で累積比率の列を作成する必要はありません。
Microsoftの公式ドキュメントの手順は次の通りです。「挿入 > 統計グラフの挿入 を選択し、ヒストグラム の下にある パレート図 を選択します。」
データのレイアウトはシンプルです。Microsoftは「通常は、テキスト(カテゴリ)を含む列と、数値を含む列を1つずつ選択します」と説明しています。さらに、このグラフは「同じカテゴリをグループ化し、対応する数値を合計する」とも付け加えています。
このグループ化機能は非常に便利です。チケット1件につき1行の未加工ログであっても、重複するカテゴリが自動的に集計されるため、そのまま直接グラフ化できます。
横軸を調整するには、軸を右クリックして「軸の書式設定」を開き、「軸のオプション」を選択します。Microsoftは、カテゴリ別について「データとテキストの両方がプロットされている場合のデフォルト」と説明しています。このモードでは「テキストカテゴリが横軸にプロットされ、降順でグラフ化されます」。
この組み込みグラフ機能は、Excel for Microsoft 365、Excel 2024、Excel 2021でサポートされています。また、Mac版に加えて、iPad版およびiPhone版のExcelも対象として記載されています。
パレート図と関連グラフの比較
| グラフ | 答える問い | 使用する場面 |
|---|---|---|
| パレート図 | どの少数のカテゴリが全体の大部分を占めているか? | カテゴリの大きさが不均等で、優先順位を付ける必要があるとき |
| 通常の棒グラフ | 各カテゴリをどのように比較するか? | 順位は重要だが、累積比率は不要なとき |
| ウォーターフォール図 | 開始値から最終値にどのように至ったか? | 合計に対する増減を追跡するとき |
| ファンネルチャート | 一連のプロセスのどこで離脱が発生しているか? | 段階に順序があり、それぞれが前の段階に続くとき |
| ヒストグラム | 単一の数値変数はどのように分布しているか? | 名前付きカテゴリではなく、測定値があるとき |
最も重要な違いは最後の行です。ヒストグラムは数値を区間に分類(ビン分け)するのに対し、パレート図は名前付きカテゴリをランク付けします。Excelではこれらが同じメニューに分類されていますが、本質的には異なります。
Powerdrill Bloomでパレート図を作成する方法
ステップ 1:未加工のログまたはエクスポートファイルをアップロードする
チケットログ、欠陥リスト、または請求書のエクスポートファイルを、1イベント1行の形式のままアップロードします。Powerdrill Bloomはアップロード時に対象列をプロファイリングするため、カテゴリの表記揺れによって1つの棒が3つに分裂してしまう前に、不整合を検出できます。
ステップ 2:自然言語でランキングの内訳を指示する
カテゴリ列と測定値を指定し、どのカテゴリが全体の大部分を占めているかを尋ねます。次に、累積比率を求めて、80%がどこに位置するかを確認します。
同時に、整合性を確認するための質問も行います。カテゴリのラベルに重複に近いものがないか、また、件数ではなくコストで測定した場合でも上位カテゴリが依然としてトップを維持しているかなどを確認します。
ステップ 3:グラフ、レポート、またはスライド資料をエクスポートする
作成したグラフ自体、累積比率を含むカテゴリの表、または優先すべき対象をまとめたスライドを書き出します。
よくある間違い
棒を並べ替えないままにする。 カテゴリが大きい順に並んでいない限り、累積の折れ線は意味をなしません。これが最もよくある間違いです。
第2軸の読み間違い。 第2軸の最大値が100%を超えていると、80%のグリッド線がずれてしまい、優先すべき対象を多くカウントしすぎてしまいます。最大値は必ず100%に設定してください。
1つのカテゴリが複数のラベルに分裂している。 「Login issue」「Login」「log-in」が3つの異なる棒になってしまうと、それぞれが小さく見えてしまいます。グラフ化する前にラベルをクレンジングしましょう。これについては、当社のAIデータクレンジングページで解説しています。
コストが真の指標であるにもかかわらず、件数をカウントしている。 50件の安価なチケットと5件の高額なチケットでは、件数と金額で順位が異なります。実際に重視すべき単位でグラフを作成してください。
80/20を絶対的な法則として扱う。 実際の比率は60/20や95/10であることもあります。比率を決めつけるのではなく、折れ線を読み取ってください。
順序のある段階(ステージ)に適用する。 離脱プロセスはファンネルチャートで表すべきです。順序のある段階を大きさ順に並べ替えてしまうと、その意味が失われてしまいます。
ロングテールを完全に隠してしまう。 小さなカテゴリをすべて「その他」にまとめるのは問題ありませんが、読者がどれだけの量がまとめられたかを把握できるよう、グラフの右端に表示したままにしてください。
まとめ
パレート図は、並べ替えられた棒グラフと累積比率の折れ線を組み合わせたものであり、どの少数のカテゴリに最優先で取り組むべきかを教えてくれます。Excelでは、「統計グラフの挿入」から標準機能として作成できます。
グラフが正しく作成されているかを決定する2つの要素は、「並べ替え順」と「第2軸の最大値」です。どちらも簡単に確認できますが、どちらも非常によく間違えられます。
整理された集計データではなく、乱雑なエクスポートファイルとしてカテゴリデータが届いた場合は、未加工ファイルのまま Powerdrill Bloom をお試しください。また、CSVファイルをグラフに変換する方法のガイドや、棒グラフ作成ツール、AIグラフ作成ツールのページもあわせてご覧ください。
よくある質問
パレート図は何に使われますか?
全体の大部分を占める少数のカテゴリを特定し、どこから手をつけるべきかを判断するために使用されます。一般的な用途には、理由別のサポートチケット、原因別の欠陥、顧客別の未払い残高などがあります。
Excelでパレート図を作成するにはどうすればよいですか?
カテゴリと値の列を選択し、「挿入」から「統計グラフの挿入」を選択し、「ヒストグラム」の下にある「パレート図」を選びます。Excelが重複するカテゴリを自動的にグループ化して値を合計し、累積比率の折れ線を追加してくれます。
なぜ棒を降順に並べ替える必要があるのですか?
累積の折れ線は「これまでに全体のどれだけの割合をカバーできたか」を読み取るためのものであり、最も影響の大きい要因が先頭に来ることで初めて意味を持ちます。棒が並べ替えられていないと、折れ線が不規則で無意味なものになってしまいます。
パレート図は「80対20の法則」と同じものですか?
いいえ、異なります。パレートの法則にちなんで名付けられていますが、実際の分布を測定するためのものであり、必ずしも80/20になるとは限りません。折れ線がほぼ直線になる場合は、支配的な少数の原因が存在しないことを意味します。
パレート図とヒストグラムの違いは何ですか?
ヒストグラムは数値変数を区間に分類してその分布を示します。一方、パレート図は名前付きカテゴリをランク付けし、累積比率を追加します。Excelでは両方が同じグラフメニューにグループ化されていますが、役割は異なります。